診療内容

予防歯科

予防歯科とは〝歯が病気になってから治療するのではなく、悪くなる前に予防する〟という考え方です。
むし歯や歯周病などお口の病気が発症したり悪化しないよう、定期的に来院していただき検査、治療、セルフケアの指導等を行います。
最近では国民皆歯科検診制度の導入が検討され、歯周病がさまざまな全身疾患と深く関わり歯周病が発症、悪化すると歯の健康だけではなく全身に悪影響を及ぼすという知識が浸透し、予防歯科への意識が高まってきているように感じます。

むし歯も歯周病も初期の段階では自覚症状がないため自分では気づくことができません。
痛みを感じる頃のむし歯は進行していることが多く、歯周病にいたっては痛みを感じることなく進行し、気づいたら歯がグラグラしているなんてもことも珍しくありません。
定期的に来院していただければ、もしむし歯が見つかっても早期発見できるため、治療時の痛みも治療回数も少なく済みます。
歯は大きく削る必要があるほど、そして再治療を重ねるごとに寿命が短くなりますので、いかに歯を削ることなく健康な状態を長く維持できるかが重要になります。
また歯周病の主な原因である歯石を取り除くことで歯周病が進行しにくい状態を作ります。
お家での歯ブラシやフロス等セルフケアのアドバイスも行いますので、むし歯の罹患や歯周病の悪化リスクを大幅に減らすことができます。

予防歯科の定期受診は医療費の負担はあるものの、 お口の中が安定した状態であれば年に数回ほどです。
むし歯や歯周病が悪化すると治るまでに何度も通院しなければなりません。
定期受診よりも費用と時間がかかりますので、トータルの医療費も抑えられます。

予防歯科の内容

診査・診断

レントゲン撮影

むし歯の有無・深度、詰め物や被せ物の適合状態、歯の根の炎症、親知らず、顎骨の状態などを確認します。

歯周病検査

歯周ポケットの深さ、歯茎の炎症、歯を支える骨の状態を検査し歯周病の進行度合を確認します。

プロフェッショナルケア

歯石の除去

歯石とは歯垢が石灰化して硬くなったものです。
歯ブラシが行き届かずに磨き残した歯垢が歯の表面に長時間ついたままになると、唾液中のカルシウムやリン酸が結合し硬く歯石になります。
歯周病が進行し歯周ポケットが深くなるとそのポケット内、すなわち歯の根の部分に歯石の沈着が見られることがあります。
超音波の振動を利用した機械や小さな刃がついた手用の器具を用いて丁寧に除去していきます。

クリーニング

専用の器具や薬品を用いて専門的なクリーニングを行います。
普段の歯みがきやフロス・歯間ブラシでは落としきれない汚れを機械を使って徹底的に取り除きます。
汚れを落とした後は歯を滑らかに磨き上げることで、着色や歯垢の再付着を防ぎます。

フッ素塗布

フッ素には歯の表面構造を強化したり、初期のむし歯を修復したり、むし歯の原因菌の働きを弱めて酸を作りにくくする作用があるため、むし歯予防に大きな効果が期待できます。
塗布するタイミングとしては歯の生え始めが最も有効ですが、矯正治療中や唾液量の低下、歯茎が下がり歯の根が見えている部分などむし歯になりやすい状態の方に対しても効果が高く、年代を選ばずにさまざまな方に効果的な予防法です。
効果は3ヶ月期待できますので定期受診のたびに塗布していくとより効果が高まります。

セルフケア指導

歯の性質、今までの治療痕、歯周病の進行度合、生活スタイルはひとりひとり違いますからその方に合った歯ブラシの選び方からブラッシング方法、フロスや歯間ブラシなどの補助的清掃用具を提案していきます。
最適なセルフケアを日々実践していただくことが、予防歯科において最も大切といえます。

むし歯や歯周病を予防するには定期的な来院が重要です。

毎日きちんと歯を磨いていても、歯石や着色などは少しずつ溜まっていきます。
むし歯や歯周病を早期発見・早期治療するためにも一度受診したら終わりではなく、長期間ご自身の歯を失わずに機能させるためには定期的にメインテナンスに通い続けるものと考え、お口の病気の予防に努めていただけたらと思います。
頻度は月に1回から半年に1回程度で、お口の中の状態により決定します。

小児歯科

歯医者が苦手なお子さんをひとりでも少なくすることを目指して


小児歯科では、お子さんのむし歯の治療を行うだけではなく、むし歯にならないための歯磨きの指導やフッ素塗布等の予防処置、定期検査などを継続的に行い、お子さんのお口の健康をトータルでケアします。
また、お子さんの歯並びや噛み合わせの治療を通してお口の健全な成長をサポートしていきます。
お子さんのお口のことで気になることがございましたら何でもお気軽にご相談ください。

私自身、一児の母なので、時には同じ親としての視点も踏まえて、今のお子さんにとって最良の方法を提案させていただけたらと思います。

当院では基本的に嫌がるお子さんにすぐに治療を始めたり、身体を抑えたり、無理に治療を進めることは行いません。
(※急性炎症や外傷など緊急を要する場合は除く)
3歳以降に抑制下で治療を行うと記憶に残る事が多くトラウマとなり、成人以降も歯科恐怖症として治療が困難になることがあるからです。

治療が初めてのお子さんにはトレーニングメニューをご用意しており、お子さんひとりひとりのペースに合わせて治療を進めていきます。
応急処置が必要でない限りは、歯のお掃除から始め、一緒にお口の中を歯科用の鏡で見たり、治療に使う器具に触れてもらったり、段階を経て治療へと進むように不安を解消するようにしています。

お子さんが歯科医院への苦手意識を抱かないようにコミュニケーションを大切に、楽しく通っていただける雰囲気づくりを心かげています。
ご家族で通いやすいようサポートしていきますので安心してご来院ください。

Point1
天井には好きな動画が見られるスマートテレビを設置

お子さんの不安を和らげ楽しんで治療を受けてもらえるように、診療台の天井にスマートテレビモニターを設置しています。
診療中はお子さんの好きな動画やアニメを流しながら診療します。

Point2
お子さんが遊んで待てるキッズスペース(託児スペース)

診療までの時間やお会計までの時間を待つお子さんと親御さんのために遊んで待てるキッズスペースを設けています。
退屈せずに待ち時間を過ごせるよう、おもちゃや絵本、スマートテレビを設置しております。
まだ慣れずに診療室に入るのを怖がったり嫌がったりする子の検診やフッ素塗布もここで行うことができます。

Point3
トレーニングが進むごとにごほうびシール
治療までできたらガチャガチャ

歯科医院へ通うのを楽しみになってくれるよう、おひとりずつシール帳をお渡しします。
治療や定期検診が終わったらコインをお渡しし、キッズスペースに設置してあるガチャガチャもできます。

Point4
ベビーカーを押したまま、土足でOK

ベビーカーをお持ちの親御さんにも安心してご来院いただけるように、院内は段差のない完全バリアフリー設計にしています。ベビーカーを押したまま診療室に入ることができ、治療中もお子さまに親御さんのお顔を見せることができます。

小児のむし歯予防

ブラッシング指導

歯と歯茎の健康維持のために毎日の歯磨きはなにより重要です。
歯と歯の間や裏側は磨き残しが多く、特にむし歯になりやすい場所です。
お子さんがひとりでも上手に歯磨きができるようになるまでは親御さんが仕上げ磨きをする必要があります。
当院では歯垢を染め出してどこに汚れがついているかをお子さんと親御さんに見てもらいながら、お子さんひとりひとりのお口に合った歯ブラシや歯磨き粉の選び方、磨き方、フロスの使い方をアドバイスしていきます。

フッ素塗布

乳歯や生えたての永久歯の表層エナメル質は、脆弱でむし歯になりやすい状態です。
フッ素にはむし歯菌によって溶かされたエナメル質を再生する再石灰化を促進し、歯質を強化するためむし歯予防に効果があります。

シーラント

奥歯の噛み合う面は食べ物をすりつぶすために溝が深く複雑に入り組んだ形になっており、歯ブラシの毛先が届きにくい場所です。
ゆえに磨き残しが多く、むし歯が発生しやすくなります。
シーラントとは、歯と同じ色の白い歯科用樹脂をあらかじめ溝に流し込んで埋め、歯垢が溜まることを防ぐ予防処置です。

特に困ったことがなくても、歯が生えたら歯科医院へ行きましょう

歯科医院は〝むし歯ができてから行く場所〟ではなく〝むし歯をつくらないために行く場所〟であることを小さな頃から体験し、定期的に検診で通院することを習慣にしておくことが生涯お口の病気で苦労しないための大切な方法です。
乳歯の頃からむし歯が多いと、永久歯に生え変わってもむし歯になるリスクが高くなると言われています。
その原因は、甘い食べ物や飲み物が多い食生活や、歯磨きの回数が少ないなどの生活習慣にあります。
早い時期から悪習慣を改善し、正しいブラッシング方法や間食の取り方などもアドバイスしていきます。

小児の矯正

子供の歯列矯正治療は、全ての歯が永久歯に生え変わる前に予防として行う「I期治療」と、永久歯が生え揃ってから行う本格的な「II期治療」に分かれています。

「I期治療」

骨の成長を利用して、上下の顎骨の形やバランスを整え、永久歯が生えてくるスペースを確保します。

「II期治療」

生え揃った永久歯をそれぞれ移動させて、歯列のアーチを整え、美しい歯並びを完成させます。

I期治療から行うと骨の成長期に合わせて治療することができるため抜歯のリスクを減らすことができ、よく目にするワイヤーを使用した本格矯正などII期治療の期間を短縮することができます。

当院でのI期治療は主に取り外し可能なマウスピース型装置を用います。

上顎前頭(出っ歯)、反対咬合(受け口)、過蓋咬合(咬み合わせが深い)など、それぞれの症状に適したマウスピース型装置があります。

咬み合わせだけでなく、お口ぽかん改善のためのお口周りの筋肉トレーニング、口呼吸から鼻呼吸へ促すことも目的としています。

適応年齢 4歳〜10歳頃まで

矯正治療を行ったほうがいいか、いつから始めたらいいかなど、お気軽にご相談ください。

骨格に問題がある場合や難しい症例は矯正専門医にご紹介いたします。

まずは一度ご相談ください。

審美歯科

歯のホワイトニング

歯の内部まで着色した色素成分を、化学的に分解することで歯を白くする方法です。

歯科医院で施術し、その日のうちにホワイトニング効果が得られる〝オフィスホワイトニング〟とご自宅で専用のマウスピースにホワイトニングジェルを注入し、継続的に装着することによってホワイトニング効果が得られる〝ホームホワイトニング〟の2種類があります。

オフィスホワイトニング

歯科医院で行うオフィスホワイトニングは、過酸化水素の薬剤を歯の表面に塗布し、専用の光照射を一定時間行います。
短時間の処置で高い漂白効果が発揮できるため、術後の白さを実感しやすいホワイトニングです。

ホームホワイトニング

ご自宅で行うホームホワイトニングは、過酸化尿素を含んだジェル状の薬剤をマウスピースにご自身で注入し装着していただきます。
オーダーメイドの専用マウスピース製作のために歯型採りを行い、出来上がったマウスピースとホワイトニングジェルをお渡しします。
1日2〜3時間装着することで徐々に漂白効果が現れ、2週間ほど継続することで白さを実感できます。

オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用するデュアルホワイトニングもおすすめです。
まずオフィスホワイトニングで強力に漂白し、その後ホームホワイトニングで効果を持続させる方法です。

注意点

ホワイトニング後は経時的な変化で徐々に元の色味に後戻りしていくことがあります。
その場合には再度オフィスホワイトニングを行う、または継続してホームホワイトニングを行うことで白さを維持できます。

薬剤の刺激で一時的に知覚過敏症状が出ることがあります。

ホワイトニングは天然歯に作用し、補綴物、充填物は変化しません。
ホワイトニング後に色調の不調和が強い場合は補綴物や充填物の再治療の検討が必要です。

セラミック治療

セラミック治療とは、歯科用セラミックを用いた白いクラウン(被せ物)やインレー(詰め物)を装着する治療です。
陶器と同様に、セラミック特有のツヤと透明感を活かすことで天然歯の色調を再現することに優れています。
従来の保険診療で使用するレジンや金属と比較して、材質が安定しているため経年劣化が起こりにくく色調が変化することがありません。
また金属アレルギーがある方も安心して選択することができます。

メリット

色調の再現性

セラミックは保険診療で採用されるレジンインレー、レジン前装冠と比較した場合、天然歯に類似した透明感や色調を再現することに優れています。
より隣在歯や対合歯との調和がとれた自然な口元に仕上がります。

変色しない

セラミックの優れた点は、変色が起こらないことです。

陶器のマグカップについた茶渋のように、ステインが付着することはありますが、セラミックそのものの変色は起こらないため、装着した状態と変わらぬ色調を維持できます。

メタルタトゥーの防止

メタルタトゥーとは、被せ物や詰め物に使用された金属イオンが流出し、歯の根元の歯茎に黒ずみが起こる現象です。
セラミック治療で、金属の土台を使用しない限りはメタルタトゥーのリスクがありません。

口腔衛生の向上

保険診療で採用されるレジンや金属は、経年劣化により表面が粗造となり、歯垢が付着しやすくなるデメリットがあります。
対してセラミックは劣化することがない上に、天然歯よりも歯垢の付着が起こりにくいため、むし歯のリスクを減らすことができます。

 

デメリット

適応症例が限られる

セラミックは衝撃に弱い材質であるため、奥歯の噛み合わせが強い場合や、歯ぎしりや食いしばりで歯のすり減りが顕著な方には割れるリスクがあるため適応とならないことがあります。
その際には、ジルコニア(二酸化ジルコニウム)、別名人工ダイヤモンドと呼ばれるセラミックよりもさらに強度に優れた素材をご提案することがあります。

ラミネートベニア

ラミネートベニアとは、歯の表側の最表層を薄く切削し、歯の色調を再現したオーダーメイドのセラミックの薄板(シェル)を接着する治療です。
最表層にあるエナメル質を一層のみ削るため麻酔も不要で、シェルが完成するまでの仮歯も不要です。
歯の全周を削る必要があるクラウン(被せ物)と比較した場合、歯の切削量が少なく神経への影響も少ないといえます。
歯の色調改善はもちろん、歯間離開(歯と歯の間に隙間がある)、捻転歯など軽度の歯列不正の改善にも適しています。
歯列不正の程度により、厚みが出ることがあります。

ダイレクトボンディング

ダイレクトボンディングとは、天然歯に類似した形態や色調を再現する修復治療です。
ペースト状の材料を歯に直接盛りつけ、光照射により硬化させることで、歯の形態修正やすきっ歯など歯と歯のわずかな隙間、歯の変色部の改善を1回で治療します。
保険診療によるコンポジットレジン修復と異なり、ダイレクトボンディングで使用するレジンはセラミックが配合され審美性と耐久性に優れます。
隣在歯や対合歯に馴染むように、複数のレジンを積み重ねることで、天然歯の色調や質感を再現します。

ガムピーリング

ガムピーリングとは、色素沈着を起こし黒ずんでしまった歯茎の色を健康的なピンク色に改善する治療です。
喫煙や紫外線が原因でメラニン色素が歯茎に沈着すると、黒ずみの原因になります。
歯茎に薬剤を塗布すると、一過性のダメージにより上皮が再生する力を利用し、元の健康的なピンク色へと導きます。

注意点

  • 金属の被せ物による歯の根元の歯茎の黒ずみ(メタルタトゥー)は対象外です。
  • 処置後は歯茎にヒリヒリとした灼熱感を感じる場合があります。

裏側矯正(舌側矯正)

舌側矯正とは、マルチブラケットとワイヤーによる矯正装置を歯の表側ではなく、歯の裏側につけて歯並びを矯正する治療方法です。
矯正治療は数年に及ぶこともありますが、周りの人に気づかれずに歯並びを矯正することができます。
人知れず矯正治療を行いたい方や、職業柄装置が見えると困るという方、さらに矯正治療を始めてから結婚式や成人式など人生の一大イベントを迎えることになった際も、一時的に装置を外す必要が一切ないため、治療が前後することがありません。

詳しくは矯正治療へ

自費診療料金表はこちらから

むし歯治療

むし歯は、むし歯の原因菌による細菌感染症で、大部分の人が幼児期に感染します。
歯垢中のむし歯原因菌が出す酸によって、歯の表層のカルシウムが溶け出し、やがて穴が空いてしまう病気です。
むし歯による歯の喪失は年々減少はしていますが、歯科医院を受診する理由の大半を占めています。
むし歯に一度なってしまうと自然に治ることはないため、むし歯の部分を削り欠損部を人工物で補填する修復治療が必要となります。
むし歯が大きければ大きいほど、歯へのダメージは大きいため、むし歯は早期に発見し治療することでその歯の寿命を保つことができます。

むし歯の進行と治療法

CO:初期むし歯

フッ素塗布やブラッシング指導、食事や間食の摂取指導を行い、エナメル質の再石灰化を促進し、むし歯の進行を抑制します。
3ヶ月〜6ヶ月の定期的な経過観察を行います。

C1:エナメル質(歯の表層)に限局したむし歯

COと同様に経過観察をする場合と、歯の表面のみ削って白い樹脂で詰め物をする場合があります。

C2:象牙質(歯の内部)に達するが、神経までは及んでいないむし歯

エナメル質の奥の象牙質まで広がった状態です。
むし歯の範囲と広がり方によって異なりますが、むし歯の部分を削り欠損部に白い樹脂で詰め物をするか、型取りをして詰め物を作成します。

C3:歯髄(神経・血管)まで進行したむし歯

歯髄の組織を除去し、根の内部の消毒を行う根管治療を行います。
削る量が多く、歯が割れやすいので被せ物を作成します。

C4:歯髄が壊死し、根だけが残った状態

多くのケースで抜歯が適応されます。

根管治療(歯の根の治療)

根管治療は歯を長期間残すために重要な治療です。
歯の根の中には歯髄と呼ばれる神経や血管を含む組織があります。
進行したむし歯や外傷によって歯髄が感染したり、壊死すると歯髄を取り除く根管治療が必要になります。
細菌に侵された歯髄を放置していると根を支えている周囲の骨まで炎症が波及し抜歯のリスクが高くなりますが、根管治療を行い、感染した歯髄を除去し消毒すれば歯を抜かずに残すことができます。

根管治療の流れ

ステップ1:感染部分の除去

根管治療用の器具を使って、細菌に感染してしまった根管内の神経などを除去します。

ステップ2:洗浄・消毒

薬剤を使用して洗浄・消毒を行い、症状に合わせた薬を根管内に満たします。

ステップ3:根管充填

根管治療後、痛みや炎症など症状が落ち着いたら、根管内へ新たな細菌が侵入するのを防ぐために神経の代わりとなる専用の薬剤を根管内に詰めます。

ステップ4:被せ物の製作

いわゆる差し歯を装着するための治療へと進みます。

歯周病

歯周病とは、歯周病原菌の感染によって引き起こされる炎症性の病気です。
歯の周囲には、歯を支える役割をしている骨や歯肉などの歯周組織があります。
歯と歯の境目にある歯周ポケット内の清掃が行き届かずに歯垢が停滞すると、歯垢中の歯周病原菌が出す毒素によって歯周組織に炎症が起きます。
炎症が歯肉に限られているものを歯肉炎、炎症が歯を支えている骨まで進んでいるものを歯周炎といいます。

歯肉炎や軽度の歯周炎では、歯肉の辺縁が赤く腫れたり、ブラッシング時に歯肉から出血したりはしますが、この段階で痛みを感じることはほとんどありません。
自覚症状に乏しいため気づかないまま中等度以降の歯周炎へ進行すると、歯肉の腫れや出血だけでなく、膿が出る、口臭、歯のグラつきなどの症状が出てきます。
重度の歯周炎へ進行すると、歯を支える骨の大部分が破壊されるため歯の揺れが強くなり、食事が困難になるなど生活に支障が出てきます。
最終的には支えきれなくなった歯が自然に抜け落ちてしまいます。

異変に気づいた時には歯周炎が中等度〜重度まで進行していることが多く、歯周病が歯を失う原因の第1位となっています。
むし歯のようにひどい痛みや穴が空くといった分かりやすい症状が出ないまま進行するため、歯科医院での定期的なチェックと治療によって予防、悪化させないようケアしていくしかありません。

歯周病の進行

 

歯周病は徐々に進行する病気ですから、軽度の歯周炎のうちに気づき、メンテナンスを続けていけば歯を失わずに済む可能性が高くなります。
歯を失ってしまうと、入れ歯、ブリッジ、インプラントなどで補う必要が出てきますので、治療期間や治療費も負担になります。

日頃から丁寧なブラッシングを行い予防すること、悪化させないよう歯科医院での定期的な治療、メンテナンスで歯周病を管理していくことが非常に重要です。

矯正治療

歯並びを整えることで噛む力を全ての歯で適切に分散できるようになるため、それぞれの歯と顎関節への負担が減少します。
また歯が重なり合っていると歯ブラシが行き届きにくいため歯垢が残りやすくなりますが、歯が一列に並ぶと歯磨きがしやすくなるため、むし歯や歯周病の予防につながります。
しかしそれだけでなく、整った歯並びを手に入れることで、明るく笑顔に自信が持てるようになります。
自分が気になっている歯並びを治すと、自分の歯に自然と関心を持ち大切にケアするようになります。
歯を守っていく上でとても重要なポイントだと思っています。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正とは、それぞれの歯にマルチブラケットと呼ばれる器具を装着し、ブラケットの溝にワイヤーを通して持続的な力を加えることで歯を移動させ、歯列や噛み合わせを整える一般的な歯列矯正です。
従来は金属製のブラケットが主流でしたが、今ではセラミックやプラスチック製のブラケットや、白く塗装されたワイヤーも普及し矯正期間中の審美面に配慮された装置も選択できるようになりました。

 

裏側矯正(舌側矯正)

舌側矯正とは、上記のマルチブラケットとワイヤーによる矯正装置を、歯の裏側につけて矯正する手法です。
矯正治療は数年に及ぶことが一般的ですが、周りの人に気づかれずに歯並びを矯正することができます。
人知れず矯正治療を行いたい方、接客業など見た目を気遣う職業の方などからのニーズが増加傾向にあります。
さらに矯正を始めてから結婚式や成人式など人生の一大イベントを迎えることになった際も、一時的に装置を外す必要が一切ないため、治療が前後することがありません。
しかしながら、表側につけるワイヤー矯正と比べ、適応症例が限られます。

治療の流れ

カウンセリング、口腔内診査
カウンセリング

気になっていること、ご希望や不安なこと、疑問をお伺いします。

お口の中を拝見し、歯並び、咬み合わせの状態を確認します。
精密検査、資料採り

矯正治療に必要なレントゲン撮影、歯型、噛み合わせ、口腔内写真の撮影等を行います。

検査結果を元に、矯正装置、治療方法、期間、費用等をお伝えします。

治療開始
患者さんの同意が得られたら治療を開始します。
治療期間は症例によって様々ですが、1年半〜3年ほどかかることが一般的です。
保定装置の装着

歯並びが完成したら矯正装置を外し、保定装置を装着します。
矯正装置を外したままにしておくと後戻りしてしまいますので、歯列を安定させるために治療期間と同等の保定期間を設けます。

定期検診

3ヶ月〜6ヶ月おきの定期検診で管理を行います。
骨格に問題がある場合や難しい症例は矯正専門医にご紹介いたします。
まずは一度ご相談ください。

目立たない入れ歯

目立たない入れ歯としてノンクラスプデンチャーをご用意しています。
ノンクラスプデンチャーとは、〝金属のバネがない〟入れ歯の総称です。
入れ歯が目立ってしまうのは、入れ歯を支えるための金属のバネが原因です。
これが目立たなければ入れ歯を装着していることに気づかれにくく、審美性を確保することができます。
当院では、審美性のみならず、快適性、耐久性、生体親和性に優れた三和デンタル社のスマイルデンチャーを取り扱っています。

噛めない、痛い、違和感が強い、見栄えが良くないなど入れ歯の悩みは様々です。
保険診療で作る総入れ歯や部分入れ歯は、固いプラスチック製ですので割れてしまうことがしばしばあります。そのため割れないようにどうしてもある程度の厚みが必要となります。

それに比べて、スマイルデンチャーは保険診療の入れ歯の1/2の軽さです。
柔軟性に富んだ、薄く、弾力性のあるナイロン樹脂素材のため、フィット感や舌触りが良く装着時の違和感が軽減されます。また内側を覆う金属もなくなり、薄い素材なので発音もしやすくなります。装着中にずれる心配もほとんどありません。
人工歯肉の部分も薄く透明感があるため、歯肉の色によく馴染みます。

当院では、長期的かつ快適に使っていただくため、独自の保証システムを採用しています。
スマイルデンチャーの破損にも応じていますのでお気軽にご相談ください。

従来の保険の入れ歯

スマイルデンチャー

歯ぎしり、食いしばり

歯ぎしりとは上下の歯をギリギリとこすり合わせて音を立てる癖で、睡眠時に無意識に行っている場合がほとんどです。
朝起きた時に顎が疲れていると感じる方や、本人には自覚はなく一緒に寝ている家族などに指摘されて気づくこともあります。
食いしばりはギュッと歯を噛みしめる癖で、睡眠時や物事に集中している際に無意識に行います。
歯ぎしりと違って食いしばる時に音が鳴らないので他人から気づかれにくく、自分自身でも自覚することは少ないです。
歯ぎしり食いしばり時には、食事時の6倍以上の負荷が歯にかかると言われており、歯を傷めるだけでなく歯肉や顎関節にも悪影響を与えます。
歯ぎしり食いしばりの原因は、日中のストレスを無意識に解消していると考えられていて、生理的な現象で大なり小なり見られることではあります。
しかし、長時間の過度な歯ぎしりや食いしばりは以下のような障害、症状を引き起こします。

歯のすり減り

歯の最表層のエナメル質は人体で最も硬い組織ですが、そのエナメル質同士をギリギリとこすり合わせればすり減りが起こります。
徐々に噛み合う面が平らになり歯の高さが低くなると噛み合わせが変化します。

顎関節症

下顎は顎関節で上顎とつながっています。
噛み合わせが低くなると顎関節を傷めやすくなり、歯ぎしりで下顎を前後左右にギリギリと動かすと顎関節に負担がかかるため炎症が起こり、顎関節症を発症、悪化するリスクが高くなります。

知覚過敏

実は歯はかすかに柔軟性があり、しなります。
歯ぎしりの力で歯が揺さぶられると、ひずみの力が歯の根元に集中し、長期にわたって続くと徐々に歯の根元の表面が剥がれ落ちるように削れていきます。
これを楔状欠損といい、この部位は歯の最表層にあるエナメル質はなく痛覚がある象牙質が露出しています。
そのため冷たいものなどがしみるようになります。

歯周病が進行しやすくなる

歯周病は歯を支えている周囲の骨が吸収している状態です。
その歯に歯ぎしり食いしばりの力が加わり歯が揺さぶられると、歯の揺れが強くなり歯周病の進行を早めてしまいます。

マウスピースの装着

歯型を採り、ご自身の歯列に合うようにマウスピースを製作します。
マウスピースを装着すると物理的に上下の歯が接触しないため、睡眠時の歯ぎしりや食いしばりによる歯のすり減りを防いだり、歯や顎骨にかかる異常な力を軽減させ、顎関節への負担も緩和します。

マタニティ治療

妊娠中はホルモンの急激な変化により歯肉の腫れが起こりやすく、またつわりの影響で口の中が不衛生になりやすいため、むし歯や歯周病にかかりやすくなります。
妊娠中に歯周病が悪化すると早産や低体重児出産のリスクが高まることが報告されています。
お母さんと生まれてくる赤ちゃんのためにも妊娠期の検診にお越しいただき、お口の環境を整えて出産にのぞみましょう。

むし歯

妊娠期にはつわりでブラッシングがいつも通りできなかったり、食事や間食が不規則になりがちのためむし歯のリスクが高まります。
歯ブラシでえづいてしまう場合には、子供用のヘッドが小さな歯ブラシがおすすめです。
どうしてもブラッシングが難しい場合は、洗口液を利用したり、キシリトールタブレットやガムを摂取することも効果的です。

歯周病

妊娠すると女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンが増加します。

エストロゲン : 歯周病菌の増殖を促します。
プロゲステロン : 炎症を引き起こすプロスタグランジンを刺激します。

歯肉の炎症を引き起こし歯周病が進行しやすくなるため、妊娠前と同じようにケアできている方でもブラッシング時の歯肉からの出血など気になる方が増えます。
妊娠期には特に親知らず周囲の歯肉の腫れ、痛みを訴える方も多いです。
妊娠中の女性が歯周病に罹患している場合、早産や低体重児出産のリスクが高まることが報告されています。
歯周病は治療だけでなく、予防も十分可能です。
安定期に歯石の除去やブラッシング指導など受けていただくことをおすすめします。

妊娠中の歯科治療は、中期の5ヶ月〜7ヶ月頃に受けていただくのが最適です。
初期では急性症状がある場合は応急処置を行いますが、適切な治療はできるだけ安定期に入ってから行います。
後期ではお腹が大きくなることで仰向けの体勢は静脈が圧迫されて血圧が低下してしまう恐れもあります。
体調と相談しながら治療を進めていきますが、出産後に改めて治療を開始することもあります。

マイナス1歳から始める予防歯科

むし歯菌は歯の表面でしか成長できないため、生まれたばかりの歯が生えていない赤ちゃんにはむし歯菌は存在しません。
お世話をする周りの大人からむし歯菌に感染します。
特に1歳半〜2歳半までのちょうど乳歯の奥歯が生えてくる時期に最も感染しますので注意が必要です。
この期間にむし歯菌の感染を防ぐことで、お口の中の細菌バランスが整う3歳以降はむし歯菌に感染しにくくなり、成長してもむし歯のできにくい口腔環境を整えることが可能になります。
一緒に過ごす時間の長いご両親をはじめ、周りの大人のお口を定期検診やクリーニングで清潔に保ち、お子さんへの感染リスクを下げるようにしましょう。


妊娠中は体調や気持ちの変化から歯科治療を受けにくくなることもありますが、出産後は忙しくなり通院時間を確保することが難しくなります。

治療を受けるタイミングを逃してしまうこともありますので、妊娠中に口腔環境を整えることをおすすめします。
診療の際はなるべく負担がかからないように楽な姿勢で受診していただけるよう配慮していますが、体調や気分がすぐれない場合は遠慮なくお声がけください。